安いステーキ肉を柔らかくする方法!簡単で失敗しない方法を肉屋のプロが解説

安いステーキ肉を柔らかくする方法!簡単で失敗しない方法を肉屋のプロが解説
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    「奮発してステーキ肉を買ったのに、焼いてみたらゴムのように硬くてガッカリした……」そんな経験はありませんか?

    スーパーで安売りされている輸入牛や赤身肉は、どうしても繊維が強く、そのまま焼くと硬くなりがちです。しかし、実はお肉が硬いのには明確な理由があり、「物理的に壊す」「酵素で溶かす」「水分を補う」という3つのアプローチを知るだけで、劇的に柔らかく変えることができます。

    今回は、毎日お肉を捌き、美味しい食べ方を知り尽くした肉屋のプロが、家にあるもので簡単に、しかも失敗せずにステーキ肉を柔らかくする裏技を徹底解説します。

    この記事を読めば、以下のことがわかります。

    • 原因の理解:なぜ安いお肉は焼くと硬くなるのか?
    • 実践テクニック:玉ねぎ、舞茸、炭酸水、重曹など、目的別の裏技
    • プロの焼き方:柔らかさを逃さない、温度管理と「休ませ方」の極意

    今日からあなたの家のステーキは、家族が驚くほど「ごちそう」に変わりますよ!ぜひ最後まで読んでくださいね。

    安いステーキ肉が「硬い」のには理由がある!肉屋が教える原因と対策

    プロの視点からお話しすると、お肉が硬くなる原因は主に2つあります。一つは「筋肉の繊維とコラーゲンの強さ」、もう一つは「加熱によるタンパク質の凝固」です。

    安いお肉、特に輸入牛やモモ肉などの赤身は、牛がよく動かす部位であることが多く、筋肉が発達しています。この強い筋肉の繊維(筋)が熱を通すことでギュッと縮まり、水分を外に押し出してしまうため、パサついて硬くなるのです。

    つまり、柔らかくするためには「焼く前に繊維をどう処理するか」と「水分をどう保つか」が勝負の分かれ目になります。

    【比較一覧】家にあるものでOK!ステーキ肉を柔らかくする方法まとめ

    まずは、今回ご紹介する方法を手軽さや効果で比較しました。冷蔵庫にあるものや、準備できる時間に合わせて選んでみてください。

    方法 必要な時間 手軽さ 柔らかさ向上 おすすめのタイプ
    筋切り・叩く 3分 ★★★★★ ★★★☆☆ どんな肉にも必須!
    舞茸漬け 30分〜 ★★★☆☆ ★★★★★ とにかく感動したい時
    玉ねぎ漬け 30分〜 ★★★☆☆ ★★★★☆ ソースも作りたい時
    マヨネーズ 20分〜 ★★★★☆ ★★★★☆ しっとりさせたい時
    重曹(魔法の水) 10分〜 ★★★☆☆ ★★★★★ 厚切り・塊肉の時

    1. 下処理の基本!物理的に繊維を断ち切る方法

    1. 下処理の基本!物理的に繊維を断ち切る方法

    どんな裏技を使うにしても、まずこの「物理的処理」だけは必ず行ってください。これだけで食感の3割は変わります。

    一番重要!「筋切り」で焼き縮みを防ぐ

    お肉の赤身と脂身の境目にある白いを、包丁の先で数カ所プチプチと切ってください。筋は熱を加えると肉よりも強く縮むため、これを切っておかないと肉全体が反り返り、焼きムラと硬さの原因になります。

    叩くのは形を整えるためだけじゃない

    肉叩きや包丁の背で全体を軽く叩くことで、強固な筋肉の結合を壊します。

    プロが教えるコツは「一回り大きくなるくらい」まで叩くこと。その後、手で元の形に優しく整えれば、火の通りが均一になり、驚くほど歯切れが良くなります。

    プロはこうする!ミートハンマーがない時の代用法

    専用の道具がなくても大丈夫です。フォークを使って、お肉の両面をプスプスとまんべんなく刺してください。これだけで繊維が断ち切られ、漬け込み液の浸透も劇的に早くなります。

    2. 酵素の力で溶かす!野菜や果物に漬け込む方法

    2. 酵素の力で溶かす!野菜や果物に漬け込む方法

    特定の植物に含まれるプロテアーゼという酵素には、お肉のタンパク質を分解してドロドロに溶かす作用があります。これが最も科学的に柔らかくする方法です。

    【玉ねぎ】甘みも増して一石二鳥!すりおろし漬け

    玉ねぎのすりおろしにお肉を30分〜1時間ほど漬け込みます

    玉ねぎに含まれる酵素がお肉を柔らかくするだけでなく、漬け終わった後の玉ねぎはそのままステーキソースの材料として炒めれば、無駄がなく最高の味わいになります。

    【まいたけ】プロも驚く分解力!最強の時短ワザ

    実は、野菜・果物の中で最強クラスの分解力を持つのがまいたけです。細かく刻んだまいたけをお肉にまぶして30分置くだけで、安い肉が高級フィレ肉のような食感に変わります。まいたけも一緒に焼いて付け合わせにしましょう。

    【キウイ・パイナップル】漬けすぎ厳禁?酵素の強力な効果

    これらの果物も強力ですが、プロからの注意点が一つあります。漬けすぎには注意してください。

    2時間以上漬けると、お肉が溶けすぎて形が崩れ、離乳食のような食感になってしまうことがあります。30分〜1時間を目安にしましょう。

    3. 浸透圧と酸の力!調味料や飲み物で柔らかくする方法

    3. 浸透圧と酸の力!調味料や飲み物で柔らかくする方法

    酵素とは別に、水分をお肉の中に抱え込ませることでジューシーにする方法です。

    【マヨネーズ】油分がお肉の繊維に入り込む魔法

    焼く前にお肉の両面にマヨネーズを薄く塗り、15〜20分置きます。

    マヨネーズに含まれる植物油が繊維の間に入り込み、乳化作用によってお肉の水分が逃げるのを防いでくれます。焼くとマヨネーズの味は消え、コクだけが残ります。

    【炭酸水・コーラ・ビール】炭酸ガスがタンパク質を分解

    炭酸に含まれる重炭酸イオンがお肉のタンパク質を溶かし、水分を入り込みやすくします。10分ほど浸しておくだけでOKです。コーラやビールは糖分や酵母の効果も加わり、独特の深い味わいになりますが、色が少しつくので気になる方は炭酸水がおすすめです。

    【重曹】安いお肉が高級肉の食感に?「魔法の水」の作り方

    プロの現場でもたまに使われる究極の裏技が重曹です。

    水250mlに対して重曹小さじ1、塩少々を混ぜた液にお肉を15分〜30分浸してください。

    pH値を調整することでお肉の保水力を極限まで高め、パサつきを一切感じさせないプリプリの食感に仕上げてくれます。

    プロはここが違う!焼く前の温度と油の鉄則

    下処理が完璧でも、焼く前の状態が悪いと失敗します。ここでプロのこだわりを注入しましょう。

    冷蔵庫から出してすぐ焼くのは絶対NG!

    これは肉屋が一番口を酸っぱくして言うことです。中心が冷たいまま焼くと、表面だけが焦げて中は生、あるいは中に火を通そうとして表面がカチカチになります。焼く30分前(冬場は1時間前)には必ず常温に出しておきましょう。

    牛脂(ヘット)を使って「和牛の風味」をプラスする

    スーパーでもらえる「牛脂」。これ、捨てていませんか?安いお肉には牛脂をたっぷり溶かした油で焼いてください。輸入牛特有の香りが和牛のような芳醇な香りに上書きされ、風味が格段にアップします。

    失敗しない!ステーキを柔らかく仕上げる焼き方の極意

    ステーキを柔するには仕上げの焼き方もとても重要になります。大きく言うと、火を通しすぎないことです。

    強火は一瞬!「余熱」を制するものがステーキを制す

    最初は強火で表面に美味しそうな焼き色(メイラード反応)をつけたら、すぐに弱火にするか、厚い肉なら火を止めて蓋をします。

    タンパク質は65度を超えると急激に硬くなるため、直火で攻めすぎず、「余熱」でゆっくり中心温度を上げるのが柔らかさの秘訣です。

    肉汁を逃さない「アルミホイル」での休ませ方

    焼き上がったお肉をすぐに切ってはいけません!まな板の上でアルミホイルに包み、焼いた時間と同じ時間だけ休ませてください。こうすることで、暴れていた肉汁がお肉全体に落ち着き、切った時に肉汁がドバッと流れ出るのを防げます。

    【診断】今のあなたにぴったりの「柔らかくする方法」はどれ?

    とにかく時間がない方には、「フォークで叩く+炭酸水10分」の時短コース。

    味付けを変えたくないには、「筋切り+常温に戻す+アルミホイルで休ませる」のプロ基本コース。

    安さを感じさせない高級感が欲しいには、「まいたけ漬け+牛脂で焼く」の感動コース。

    安いステーキ肉を柔らかくする方法!簡単で失敗しない方法を肉屋のプロが解説のまとめ

    いかがでしたか?安いステーキ肉が硬くなってしまうのは、単にお肉のせいだけでなく、ちょっとした「知識」と「準備」が足りなかっただけかもしれません。

    • 下処理は筋切りと叩きを忘れずに。
    • 仕込みは舞茸や玉ねぎ、重曹など身近なもので酵素と水分を活用。
    • 調理は常温に戻し、焼きすぎず、しっかり休ませる。

    このステップを踏むだけで、スーパーの特売肉があなたの家の看板メニューに生まれ変わります。「お肉ってこんなに柔らかくなるんだ!」という感動を、ぜひ次のお休みのディナーで体験してみてください。お肉のプロとして、あなたの食卓が笑顔で溢れることを応援しています!

    最後まで読んでくださりありがとうございます。